赤ちゃんスリーパーの選び方、TOGの厚みとサイズの月齢別めやす
スリーパー(スリープサック)を初めて選ぶ方へ。部屋の温度に合わせたTOGの厚み、首・腕ぐりがゆるすぎないサイズ、月齢別のおくるみ型とスリーパー型の違いまで。過熱と安全な睡眠の注意点をあっさりまとめました。
布団を何度も蹴ってしまって明け方に寒くないか、逆に顔を覆ってしまわないか、心配になりますよね。そんなときによく探すのが、体に着せる毛布、スリーパー(スリープサック)です。ところがいざ買おうとすると、TOGだのサイズだの種類が多すぎて、何を基準に選べばいいのか迷ってしまいます。
まず要点からお伝えします。スリーパーは三つだけ合わせれば大丈夫です。部屋の温度に合った厚み(TOG)、ゆるすぎない正確なサイズ、そして月齢に合った形です。厚いほどよいわけでも、大きいほど長く使えるわけでもありません。部屋が暖かければ薄いものを、首や腕ぐりは赤ちゃんが中へずり落ちない程度に体に合うものを選ぶのが先です。
この記事では特定のブランドをすすめるより、どの製品を前にしても自分で判断できるよう「選ぶ原理」をまとめました。厚みの合わせ方からサイズ・月齢、中に何を着せるか、そして必ず守りたい安全ポイントまで、順にお話しします。
スリーパーは、なぜ布団の代わりに使うの?
スリーパーがよいのは「着せる毛布」だからです。掛ける布団は赤ちゃんが足で蹴るとはだけて寒く、逆に顔のほうへめくれ上がると危険なことがあります。一方、体に着せておくスリーパーは寝床ではだける心配がないので、布団を蹴ってもある程度は体温を保ってくれます。
なにより、安全な睡眠の推奨とよく合います。公的機関や米国小児科学会は、赤ちゃんの寝床から、厚くゆるい布団・枕・バンパーのように顔を覆ったり入り込んだりしうる物を片づけるよう案内しています。スリーパーは布団を代わりにしながら、そうしたリスクを減らしてくれます。ですから「暖かく寝かせたいけれど布団は不安」という方に合う選択です。寝床を空ける安全な睡眠の基本は、布団もバンパーもなしで安全に寝かせる方法に別にまとめてあります。
TOGって何? 厚みを選ぶ基準
スリーパーを見ると「TOG 1.0」「TOG 2.5」といった数字が付いています。TOGは、その衣類がどれだけ暖かいか、保温の程度を表す単位です。数字が低いほど薄く涼しく、高いほど厚く暖かいと考えればよいです。ですから厚みを選ぶとは、結局「うちの子が眠る部屋の温度」に合った数字を選ぶことです。
厚みを選ぶときの基準は赤ちゃんの体ではなく部屋の温度です。赤ちゃんの部屋はおおむね20〜22℃くらい、暑くなりすぎない線なら無難ですが、季節や暖房で部屋の温度が変われば、それに合わせてTOGも替える必要があります。夏に使っていた薄いスリーパーを真冬にそのまま使ったり、冬用の厚いスリーパーを初秋まで着せたりすると、温度が合わないからです。
下は部屋の温度帯別に、よく使うTOGと中の服の組み合わせをまとめた表です。製品ごとに基準が少しずつ違うので、製品に書かれた案内も確かめ、あくまで出発点として見てください。最後の判断は、後で出てくる赤ちゃんの体の確認でします。
| 部屋の温度帯 | おすすめTOG(厚み) | 中に着せる服の組み合わせ |
|---|---|---|
| 24〜27℃(夏・暖かい部屋) | 0.5以下(薄い) | 半袖ボディスーツ、またはおむつのみ |
| 20〜24℃(ほどよい部屋) | 1.0前後 | 薄手の長袖パジャマ一枚 |
| 18〜20℃(涼しい部屋) | 2.5前後(厚い) | 長袖パジャマ+薄手の肌着 |
| 16〜18℃(寒い部屋) | 2.5〜3.5(いちばん厚い) | 長袖パジャマ+長袖の肌着 |
数字だけにこだわる必要はありません。部屋に温湿度計を一つ置いて寝床近くの温度を確かめると、厚み選びがぐっと楽になります。部屋の温度と湿度を月齢に合わせる方法は、月齢別 赤ちゃんの夜の部屋の温度と湿度に詳しくまとめてあるので、あわせて参考にしてください。
サイズと月齢はどう合わせる?
厚みを決めたら次はサイズです。ここで多くの方が「大きめを買えば長く使える」とゆったりしたものを選びますが、スリーパーは大きいほうがかえって危険なことがあります。体に対して大きすぎると、赤ちゃんがスリーパーの中へずり落ち、顔が内側に埋もれることがあるからです。ですからサイズは「ゆったり」ではなく「体に合わせて」が基準です。
1. 首と腕ぐりはゆるすぎないように
いちばん大切なのが首まわりと腕ぐりです。首ぐりが大きくて赤ちゃんの頭がすっぽり入るほどなら大きすぎます。赤ちゃんの顔がスリーパーの中へずり落ちうるので、首と腕ぐりは赤ちゃんの体に沿ってゆるすぎないサイズを選んでください。逆に首が締まったり腕に食い込むほど小さくても不快なので、指がやっと通るくらいのゆとりが ちょうどよいです。
2. 丈と足まわりはゆったりでも大丈夫
首・腕と違って、胴体の下側と足の部分はむしろ ゆとりがあるほうがよいです。脚を自由に動かし、足で蹴る空間があると股関節の発達にも楽だからです。足が外に出る形でも中で動く形でも、脚を曲げたり広げたりしやすいゆとりであれば大丈夫です。
3. 月齢に合った形を選ぶ
スリーパーは大きく二種類に分かれます。新生児期は腕まで包むおくるみ型を、赤ちゃんが育てば腕が出るスリーパー型を使います。おくるみ型は赤ちゃんを包み込んでモロー反射で目を覚ますのを減らしますが、ここには大切な切り替え時期があります。赤ちゃんが寝返りしようとするサインを見せ始めたら、腕を包むおくるみはやめて、腕が自由な形に替える必要があります。寝返りした状態で腕がふさがれていると、自分で姿勢を変えにくく危険だからです。ふつうこの時期は生後数か月のうちに個人差をもって訪れるので、月齢より「寝返りのサイン」を基準にしてください。サイズは月数とあわせて体重・身長の表を見て選ぶと、より正確です。
中に何を着せ、どう着せる?
スリーパーは「外側の一枚」と考えると分かりやすいです。その中に部屋の温度に合ったパジャマや肌着を着せ、その上にスリーパーを足す形です。前の表のように、部屋が暖かければ薄手の半袖一枚、涼しければ長袖パジャマに薄手の肌着を足す程度で、たいてい十分です。
ここでいちばん気をつけたいのは過熱です。夜寒いかと心配して厚いスリーパーに服までたくさん着込ませると、かえって暑くしすぎがちです。過熱はあせもや睡眠の妨げにつながるだけでなく安全にも関わるので、「暖かく」より「ほどよく涼しく心地よく」を基準にしてください。
着せたあとは赤ちゃんの体をさわって確かめます。暑いか寒いかは手足ではなくうなじと背中で見ます。手足はもともと少し涼しいのが自然だからです。眠っている間にうなじ・背中が汗ばんで熱っぽければ暑いので、中に着せた服を一枚減らすか薄いスリーパーに替えてください。逆に涼しければ一枚足します。
安全に使うために、これだけは守ってください
スリーパーはそれ自体が安全を助ける道具ですが、選び方や着せ方を誤るとかえって危険になりえます。次の四つは必ず守ってください。
- サイズは体に合わせて、ゆるいものは避ける。先に述べたとおり首・腕ぐりが大きいと赤ちゃんが中へずり落ちえます。大きいものを買って長く使うより、今の体に合うサイズを選んでください。
- フードやひもが付いたものは避ける。眠るときは、頭にかぶるフード、首や体に巻きつくひも・リボンのない形が安全です。寝床でひもは巻きつきのリスクになりえます。
- ファスナー・スナップは顔から遠い向きに。留めがしっかりして仕上げがきれいか、ファスナーがあごや首に当たらないかを確かめ、ファスナーの上に覆いがある形が使いやすいです。
- 過熱に気をつけ、寝床は空ける。厚く着込ませず、眠る赤ちゃんの過熱は乳幼児突然死症候群(SIDS)と関わりのある要因として知られているので注意します。そしてスリーパーを着せても、安全な睡眠の基本はそのままです。赤ちゃんは背中をつけて、平らで硬い床に、枕・布団・ぬいぐるみのようなふかふかした物なしで寝かせてください。
まとめると、スリーパーは「布団の代わりの一枚」にすぎず、背中をつけて平らに寝かせる安全な睡眠の原則の上で使う道具です。スリーパーを着せたからと、ほかの寝具を足さないでください。
洗濯・お手入れと、いつ替える?
スリーパーは赤ちゃんの肌に一晩中触れる衣類なので、こまめに洗って清潔に保つのがよいです。洗濯方法と乾かし方は製品ラベルに従い、中綿のある厚いスリーパーは完全に乾いたか確かめてから着せてください。乾ききらないまま着せると、じめついてかえって涼しく感じることがあります。
替えどきは大きく二つです。第一に、季節が変わって部屋の温度が変われば TOGを替えます。夏用と冬用を温度帯別に数枚そろえて回すと楽です。第二に、赤ちゃんの体が育ってサイズが小さくなったら次の段階へ上げてください。足がきつくなったり首・腕が締まったら替えどきです。逆に急にゆるくなるほど大きいサイズへ飛ばさず、今の体に合う段階へ上がるのが安全です。
よくある質問
Q. スリーパーはいつまで使う?
決まった年齢があるわけではありません。赤ちゃんが窮屈がらず、サイズが合っている間は使い続けて大丈夫です。ただ、自分で立って歩き回り、体に合う大きいサイズがなくなる時期が来ると、自然に卒業していきます。赤ちゃんの様子とサイズを見て判断してください。
Q. 腕は入れるほうがいい、出すほうがいい?
月齢と発達によって違います。モロー反射が強い新生児初期は腕を包むおくるみ型が助けになりますが、寝返りのサインが見え始めたら必ず腕が自由なスリーパー型に替えてください。寝返りしたあと腕がふさがれていると、姿勢を変えにくく危険だからです。
Q. おくるみを卒業したら、すぐスリーパー型に移ればいい?
はい、腕が出るスリーパー型(スリープサック)がその次の段階です。赤ちゃんが腕を自由に動かしながら胴体は暖かく保たれるので、寝返りを始めた赤ちゃんに合います。はじめは慣れないことがあるので、お昼寝から数日ならしてあげると楽です。
Q. 夏でもスリーパーは必要?
部屋が暑ければ0.5以下の薄いTOGのスリーパーの中に半袖一枚、またはおむつのみで大丈夫です。冷房をする部屋なら薄いスリーパーがかえって体温維持の助けになります。暑がったら うなじ・背中をさわって一枚減らしてください。
Q. スリーパーを着せたから布団は別に掛けなくていい?
そのとおりです。スリーパーは布団を代わりにする衣類なので、その上にまた布団を掛ける必要はありません。むしろ布団を足すと過熱や顔覆いのリスクが生じうるので、スリーパー一枚で温度を合わせ、寝床は空けておくのが安全です。
最後にまとめると
スリーパー選びは結局、三つです。第一に、部屋の温度に合わせてTOGを選ぶ — 厚いほどよいのではなく、部屋の温度に合った厚みが正解です。第二に、ゆるすぎない正確なサイズ — 首・腕ぐりが大きくて赤ちゃんがずり落ちないよう、大きめを買って長く使うより今の体に合わせて選びます。第三に、月齢に合った形と安全な睡眠 — 寝返りのサインが見えたら腕が自由なスリーパー型に替え、フード・ひものないものにして、背中をつけて平らに、寝床は空けて寝かせてください。厚みを替えた日の夜の眠りがどうだったかを数日記録しておくと、わが子に合う組み合わせを目で確かめられます。数字やサイズより、赤ちゃんのうなじと背中が送るサインに合わせれば、それがわが家にぴったりの答えです。