離乳食を始めるサイン|5つのチェックリストで「今はじめていい?」が分かる
離乳食はいつから? 月齢だけでは決められません。厚生労働省の目安をもとに、首すわり・支え座り・哺乳反射・食べ物への興味など5つの発達サインをチェックリストで確認。まだサインが出ていないときの考え方もまとめました。
「生後5ヶ月になったけど、そろそろ離乳食を始めていいのかな」——そう思って調べてみると、「5ヶ月から」という声もあれば「6ヶ月まで待ったほうがいい」という声もあって、結局いつが正解なのか分からなくなってしまう。はじめての育児だと、一度はこんなふうに迷うものです。
先に大事なところをお伝えすると、離乳食を始める時期はカレンダーの月齢だけでは決まりません。同じ5ヶ月でも、準備ができている赤ちゃんもいれば、もう少し待ってあげたほうがいい赤ちゃんもいます。決め手になるのは、赤ちゃん自身が見せてくれる発達のサインです。
この記事では、厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」をもとに、離乳食を始めてよいかを見分ける5つのサインをチェックリストにまとめました。ひとつずつ確認して、まだのときはどう考えればいいかもお話しします。わが子に合ったタイミングを、一緒に見つけていきましょう。
目次
- 離乳食は、いつごろ始めるのが目安?
- 始めてよいかが分かる「5つのサイン」チェックリスト
- サインがまだ出ていないときは、焦らなくて大丈夫
- サインが揃ったら——最初のひとさじの進め方
- 迷いやすいポイント:よだれ・体重・月齢
- よくある質問
- まとめ
1. 離乳食は、いつごろ始めるのが目安?
まず時期の全体像からお伝えします。厚生労働省の授乳・離乳の支援ガイドでは、離乳食を始める時期の目安を生後5〜6か月頃としています。
以前は「生後5か月になった頃」と表現されていましたが、2019年の改定で「生後5、6か月頃」という幅のある言い方に変わりました。つまり「5ヶ月になったその日から」ではなく、5〜6か月という期間の中で、赤ちゃんの様子を見て決めるのが基本の考え方です。
この時期になったら、始める日をひと息に決めてしまうより、赤ちゃんの様子を少していねいに見てあげてください。次に紹介するサインがいくつか重なって見えてきたら、それがわが子に合ったスタート時期に近づいた合図です。
2. 始めてよいかが分かる「5つのサイン」チェックリスト
離乳食を始める準備ができているかは、下の5つがそろって見られるかで確認します。ひとつだけで判断して急ぐより、複数のサインが重なっているかを見るほうが確かです。チェックリストとして、ひとつずつ○×で確かめてみてください。
① 首がしっかりすわっている
食べ物を飲み込むには、頭をまっすぐに保てる姿勢が必要です。抱っこしたときに頭が後ろにガクンと倒れず、自分で支えられていれば、準備の土台がひとつ整っています。
② 寝返りができる
全身の発達がひとつの目安になります。2019年の改定で、開始サインのひとつとして「寝返りができる」ことが挙げられています。首すわりとあわせて、体の発達が進んでいるかを見てあげてください。
③ 支えてあげると5秒以上座れる
ひとりで完璧に座れなくても大丈夫です。支えたりベビーチェアに座らせたりしたときに、5秒以上、上体を起こして保てるかを見ます。安定して上体が起きていると飲み込みがスムーズで、むせにくくなります。寝たままや、後ろにぐったりする姿勢では離乳食を与えないほうが安全です。
④ スプーンを舌で押し出すことが少なくなった
生まれて間もない赤ちゃんには、口に入ってきたものを舌で押し出す反射(哺乳反射/押し出し反射)があります。これは飲み込みにくいものを吐き出して自分を守る働きですが、残っているうちはスプーンを当てても食べ物が押し返されてしまいます。成長とともにこの反射が弱まり(哺乳反射の減弱)、スプーンを舌で押し出さずに受け入れ始めたら、飲み込みの準備が進んできたサインです。
⑤ 食べ物に興味を示す
大人が食べている様子をじっと見たり、口をもぐもぐ動かしたり、食べ物に手を伸ばしたり——こうした様子は「自分も食べてみたい」という興味のあらわれかもしれません。新しい「食べる」という経験を受け入れる心の準備が進んできた合図と考えられます。
この5つがそろって見えてきたら、わが子に合ったスタート時期に近づいています。 全部がぴったり同時にそろう必要はありませんが、首すわりと支え座り、哺乳反射の減弱は特に大切な土台です。
3. サインがまだ出ていないときは、焦らなくて大丈夫
「5ヶ月になったのに、まだ舌で押し出す」「周りの子はもう始めたのに、うちはサインが出ない」——そんなときも、焦らなくて大丈夫です。発達のペースは赤ちゃんによって違うので、サインがそろう時期にも幅があります。
アレルギーが心配で開始を遅らせたほうがいいのでは、と考える方もいます。けれど厚生労働省の支援ガイドでは、「離乳の開始や特定の食物の摂取開始時期を遅らせても、食物アレルギーの予防効果があるという科学的根拠はない」としています。つまり、アレルギーを心配して無理に遅らせる必要も、逆に月齢だけを見て急ぐ必要もありません。サインを見て決めるのがいちばんの目安です。
ただし、いつまでも大きく遅れる場合は別です。生後5〜6か月以降は、母乳やミルクだけでは足りなくなる栄養(特に鉄分)も出てきます。6か月を過ぎてもサインが見られない、進め方に迷う、といったときは、かかりつけの小児科や乳幼児健診で相談してみてください。「待っていい」と「相談したほうがいい」の線引きに迷ったら、専門家に聞くのがいちばん安心です。
4. サインが揃ったら——最初のひとさじの進め方
サインが確認できたら、いよいよスタートです。最初から多くを与える必要はありません。厚生労働省の目安では、離乳初期(生後5〜6か月頃)は次のように進めます。
最初は「10倍がゆ」をひとさじから
なめらかにすりつぶした10倍がゆを、離乳食用のスプーンでひとさじから始めます。食べられそうなら1〜2日ごとにひとさじずつ増やし、1〜2週間かけて慣らしていきます。
離乳初期は「1日1回」
初期の離乳食は1日1回です。この時期の主な目的は、たくさんの栄養をとることよりも、飲み込むこと、舌ざわりや味に慣れること。うまく食べられない日があっても、それが普通です。赤ちゃんのペースに合わせてゆっくり進めましょう。
何を、どんな順番で与えていくかは、別の記事で 最初の食材と進め方 にまとめています。新しい食材を試すときのアレルギーの見分け方は 食物アレルギーのサイン もあわせてご覧ください。
5. 迷いやすいポイント:よだれ・体重・月齢
最後に、サインと混同しやすいポイントを整理します。
よだれが増えた=開始サイン?
よだれが増えるのはこの時期によく見られますが、それ単独では開始の決め手になりません。よだれは参考程度に見て、5つのサイン全体で判断してください。
体重が出生時の2倍=開始の合図?
「出生体重の約2倍」や「よく飲んでもすぐ空腹になる」といった様子が、あわせて見られることもあります。ただしこれは補助的な参考で、まずは5つの発達サインを優先します。
5ヶ月になった=すぐ始める?
月齢はあくまで「5〜6か月という目安の幅」。その日になったから始める、ではなく、サインがそろっているかを見て決めます。より詳しいサインの見分け方は 離乳食の準備が整うサイン でも解説しています。
よくある質問
Q. 5ヶ月ちょうどで始めないと遅いですか? いいえ。目安は「生後5〜6か月頃」と幅があります。5ヶ月の時点でサインが出ていなければ、6か月に近づくまで様子を見ても大丈夫です。
Q. 完全母乳だと離乳食の開始は変わりますか? 開始を見分けるサインは、母乳でもミルクでも基本的に同じです。ただし生後5〜6か月以降は鉄分などが不足しやすくなるため、進め方に迷うときは健診や小児科で相談すると安心です。
Q. 下の歯が生えてから始めたほうがいい? 歯が生えているかどうかは開始の条件ではありません。初期はなめらかにすりつぶしたものを与えるので、歯がなくても進められます。5つの発達サインを目安にしてください。
まとめ
離乳食を始める時期は、カレンダーの月齢ではなく、赤ちゃんが見せてくれる発達のサインで決めます。目安は生後5〜6か月頃。首すわり・寝返り・支えて5秒以上座れる・哺乳反射の減弱・食べ物への興味、この5つがそろって見えてきたら、スタートが近づいた合図です。
まだサインが出ていなくても、焦らなくて大丈夫。発達のペースには幅があります。無理に遅らせる必要も急ぐ必要もなく、わが子の様子を見ながら進めていけば大丈夫です。6か月を過ぎても迷うときは、健診や小児科でいつでも相談してくださいね。