赤ちゃんのインフルエンザ接種は1回か2回か、年齢と接種歴で決める方法

赤ちゃんのインフルエンザ接種は1回か2回か。生後6か月から9歳未満で2回接種の対象になる基準、1回目と2回目の4週間隔、毎年の接種まで、迷わないように整理しました。

赤ちゃんのインフルエンザ接種は1回か2回か、年齢と接種歴で決める方法

インフルエンザ予防接種の案内を受けて、「うちの子は1回でいいの?それとも2回?」と迷ったことはありませんか。お隣の子は2回なのにうちは1回と言われると、何か抜けているのではと気になってしまいますよね。

先に結論からお伝えすると、接種回数は赤ちゃんの年齢これまでのインフルエンザ接種歴の2つで決まります。生後6か月から9歳になる前のお子さんで、今回インフルエンザワクチンを生まれて初めて接種する場合や、これまで1回しか接種していない場合は、今シーズンは2回接種します。反対に、9歳以上の場合や、過去にすでに2回以上接種したことがある場合は1回で十分です。2回接種するときは、1回目と2回目の間を最低4週間以上あけるのが目安です。

この記事では、なぜ2回接種する子がいるのか、うちの子が何回接種の対象かを表で確認する方法、2回のときの間隔とタイミング、そして接種の前後によく寄せられる質問まで順番に整理します。接種時期や費用、どこで受けられるかが気になる方は、赤ちゃんのインフルエンザ予防接種の時期と受け方の案内もあわせてご覧ください。

なぜ2回接種する子がいるのでしょう

2回も接種するのはやりすぎでは、と心配になるかもしれませんが、小さな子どもが初めてインフルエンザワクチンを受ける場合、2回接種はやりすぎではなく標準的な方法です。理由は免疫がつくられる仕組みにあります。

インフルエンザワクチンを一度も受けたことがない赤ちゃんの体は、インフルエンザウイルスに対する免疫の経験がまだありません。このようなとき、1回の接種だけでは抗体が十分に、そして長く保たれるほどにはつくられないことがあります。そこで一定の間隔をあけてもう一度接種し、免疫をしっかり引き上げます。1回目が「土台をつくる接種」なら、2回目は「免疫を固める接種」というわけです。

反対に、これまでにどこかのシーズンで2回きちんと接種した子や、9歳を過ぎた子は免疫の基盤がある程度整っているため、その後は毎年1回の接種でもそのシーズンの防御力をつくることができます。ですから「うちの子だけ2回なんだ」と思っても心配しなくて大丈夫です。それだけ最初の免疫をしっかりつくるための過程なのです。

親の肩にもたれて抱かれ、カメラを見つめる赤ちゃん

うちの子は何回接種の対象でしょう

いちばん迷いやすいところなので、まず表で整理します。赤ちゃんの年齢と、これまでのインフルエンザ接種回数、この2つを確認すれば何回接種の対象かがわかります。

お子さんの状況接種回数
生後6か月〜9歳未満 ・ インフルエンザワクチンが生まれて初めて2回
生後6か月〜9歳未満 ・ 過去の接種が合計1回だけ2回
生後6か月〜9歳未満 ・ 過去に2回以上接種したことがある1回
9歳以上1回

言葉でもあらためて整理します。

1. 生まれて初めてのインフルエンザ接種なら2回

生後6か月を過ぎ、今回インフルエンザワクチンを生まれて初めて接種する赤ちゃんは、今シーズンは2回接種します。1回目のあと最低4週間あけて2回目を受ければ大丈夫です。

2. これまで1回だけしか接種していないなら2回

去年でも一昨年でも、これまでインフルエンザワクチンを通算で1回しか受けていない赤ちゃんも、今回は2回接種します。前のシーズンに2回対象だったのに1回目だけ受けて2回目を飛ばした、というケースがここに当てはまることが多いです。まだ免疫の土台が完成していないと考え、今回あらためて2回で整えます。

3. すでに2回以上接種した、または9歳以上なら1回

過去のどこかのシーズンで2回きちんと接種したことがある子、そして9歳以上の子は、今シーズンは1回で大丈夫です。毎年流行するウイルスに合わせて一度ずつ受け直すと考えるとよいでしょう。

うちの子の正確な接種歴が思い出せないときは、母子手帳や予防接種の記録を確認し、それでも迷うときは接種を受ける医療機関で記録を確認して最終的な回数を決めます。対象や回数は接種機関と医療者が記録を見て確定するので、あいまいなときは必ず尋ねてみてください。

2回のときの間隔とタイミングは

2回接種の対象なら、1回目と2回目の間を最低4週間、つまり28日以上あけるのが目安です。4週間より短く前倒しすると、2回目の免疫効果を十分に期待しにくいことがあるため、間隔を守ることが大切です。

タイミングもあわせて見ておくとよいでしょう。接種後、体の中に守る力となる抗体がつくられるまで、おおよそ2週間ほどかかります。ですからインフルエンザが本格的に流行する前に2回の接種を終えておくのが理想的です。たとえば1回目のあと4週間後に2回目、さらに2週間ほど経って免疫が定着するので、余裕をもって6週間前後を見込んで早めに始めるとよいでしょう。

とはいえ「もう遅いかな」と焦る必要はありません。流行は一度で終わらずシーズンを通して続くことが多いので、今から始めても遅くありません。むしろ先延ばしにして2回とも受けられないより、今1回目を受けて間隔に合わせて2回目まで終えるほうが赤ちゃんのためになります。

インフルエンザ2回接種スケジュールの図。1回目のあと最低4週間(28日)あけて2回目を受け、さらに約2週間で免疫が定着することを示すインフォグラフィック

もし1回目だけ受けて4週間をだいぶ過ぎてしまっても大丈夫です。最初からやり直すのではなく、残りの2回目を続けて受ければ問題ありません。忘れて過ぎてしまったら、気づいた時点で2回目を終えれば十分です。

毎年また受けるのでしょうか

はい、インフルエンザの予防接種は毎シーズン新たに受けるのが基本です。インフルエンザウイルスは年ごとに流行する種類が少しずつ変わり、ワクチンもその年に流行が予想されるウイルスに合わせて新しくつくられます。昨年つけた免疫の効果も、時間とともにだんだん弱まっていきます。

ですから「去年受けたから今年は飛ばしてもいいのでは」と思いがちですが、毎年の接種をおすすめします。ただうれしいのは、去年2回きちんと受けた赤ちゃんなら、今年は1回で十分ということです。一度2回接種で免疫の土台をつくっておけば、その後は毎年1回ずつ補えばよいわけです。

生後6か月未満はどう守ればよいでしょう

生後6か月に満たない赤ちゃんは、まだインフルエンザワクチンの接種対象ではありません。この時期の赤ちゃんは自分で接種して免疫をつくることができない代わりに、まわりの人が壁になって守る形でカバーします。

方法は、赤ちゃんとよく接する家族やお世話をする人がインフルエンザの予防接種を受けることです。両親、祖父母、きょうだいのように身近に過ごす人が接種して免疫をもてば、赤ちゃんにウイルスが伝わる可能性を減らせます。妊娠中のお母さんの接種も、生まれてくる赤ちゃんを一定期間守るのに役立つことがあります。赤ちゃんを囲む人が先に受けて赤ちゃんを包み込むこの方法を、繭のように囲むという意味で「コクーニング」と呼びます。

接種の前後によくある質問

風邪ぎみですが受けても大丈夫でしょうか

鼻水程度の軽い症状なら接種できることが多いですが、熱があったり赤ちゃんの体調がはっきりよくないときは、接種を見送るほうがよいことがあります。微熱か発熱か、今受けてよい状態かは、接種当日の診察で医療者が赤ちゃんを見て判断するので、それに従っていただければ大丈夫です。

卵アレルギーがあると受けられませんか

卵アレルギーがあるからといって、必ずしも受けられないわけではありません。ただしアレルギー反応の程度によっては注意が必要なことがあるので、接種前に赤ちゃんのアレルギー歴を医療者に必ず伝え、相談したうえで接種の可否や方法を決めてください。

ほかの予防接種と同じ日に受けても大丈夫ですか

インフルエンザワクチンは、ほかの予防接種と同じ日に一緒に受けられることが多いです。ただし赤ちゃんの接種スケジュールや状態によって異なることがあるので、同時接種の可否は医療機関で確認して進めてください。

1回目だけ受けて2回目をうっかり忘れました

2回対象の赤ちゃんなら、2回目まで終えてこそ予定していた免疫効果を期待できます。4週間よりさらに時間が経っていても、最初からやり直すのではなく、気づいた時点で2回目を続けて受ければ大丈夫です。遅れたからとあきらめず、残りの1回を必ず補ってあげてください。

こんなときは接種の前に相談を

インフルエンザの予防接種は多くの赤ちゃんに安全にすすめられますが、赤ちゃんの状態によっては接種を見送ったり方法を調整したりすることがあります。次に当てはまる場合は、接種前に医療者にまず相談してください。

  • 接種当日に熱があったり、体調が目立ってよくないとき
  • 卵やワクチン成分に強いアレルギー反応が出たことがあるとき
  • 以前のインフルエンザ接種後に強い副反応があったとき
  • 現在かかっている病気があったり、薬を服用中のとき

接種の対象か、見送るべきか、何回受けるべきかの最終的な判断は、赤ちゃんを直接診る接種機関と医療者の役割です。この記事の内容は大きな目安をつかむための参考にして、うちの子に合った判断は接種の現場で確認するのがいちばん安心です。接種後に熱が出たり接種部位が腫れて心配なときのケアは、予防接種後の発熱、こうケアしましょうで扱っています。

記録しておくと迷いにくくなります

インフルエンザ接種は年齢と接種歴で回数が分かれるため、これまで何回受けたかが毎年迷いやすいものです。1回目をいつ受けて2回目が何日後か、接種後に熱や腫れはなかったかをそのつど残しておくと、次のシーズンに判断しやすくなります。すくすくぱしゃのケア記録に接種日と接種後の体調を簡単にメモしておけば、年が変わってもうちの子の接種歴をひと目で確認できます。

最後に整理すると

  • 接種回数は年齢と接種歴で決まります。生後6か月〜9歳未満で初めての接種、またはこれまで1回だけなら2回、9歳以上またはすでに2回以上受けているなら1回です。
  • 2回受けるときは1回目と2回目を最低4週間(28日)以上あけ、抗体がつくられるまで2週間ほどかかるので流行前に終えておくとよいでしょう。今から始めても遅くありません。
  • インフルエンザは毎年流行ウイルスが変わるため、毎シーズンの接種が基本です。去年2回終えているなら今年は1回で大丈夫です。

うちの子が何回接種の対象かあいまいなときは、接種を受ける医療機関で記録を確認して決めるのがいちばん正確です。インフルエンザと風邪、新型コロナの症状で迷うときは、赤ちゃんのインフルエンザ・風邪・新型コロナの症状の見分け方もあわせて参考にしてください。